世の中にはあまり知られていない吉日や凶日が存在しておりますが、月徳日もそのあまり知られていない暦注に該当するでしょう。
今回はこの月徳日とは一体何なのか、読み方や意味や由来について詳しく紹介していきます。
月徳日の意味や由来
月徳日とは「七箇の善日」という縁起の良い日に数えられる吉日の一つです。
月徳日は「その月の福徳が得られる日」という意味があり何事に対しても吉日なのですが、特に引っ越しや建築やリフォームといった土に関わる事柄との相性が良い日と言われております。
由来はかつて日本で使われていた太陰太陽暦に該当する「宝暦暦」からきているとされ、天恩日や母倉日とルーツが同じであるとされています。
この「宝暦暦」は西洋天文学を取り入れて江戸時代に用いられた新しい暦法だったのですが、なにぶんあらが多くできが悪いと言うことで40年程度使われて封印されてしまったモノなのです。
しかし、天恩日や母倉日とあわせて「七箇の善日」として残っているので暦注としては無駄ではないと言えると思います。
ただし、暦注は明治政府によって太陽暦へ改暦される時に禁止されたり、江戸幕府から禁止されるということがたびたびあったので、そのような扱いをされていたという事実もセットで覚えておくと良いでしょう。
月徳日の読み方
月徳日の読み方は「つきとくにち」か「がっとくにち」です。
しかし、どちらの読み方でも漢字変換で一発で出ない人も多いでしょう。暦注にもある程度のメジャーマイナーの区別がありますが、その見分け方の一つが漢字変換できるかどうかなので、やはりこの月徳日はマイナーな部類に入ってしまうことがわかります。
ちなみに、この「月徳」という言葉を調べて見ると暦注以外に「皇后の徳」といったワードが出てきます。六曜と比べるとやはり情報量が少ないのか、ネット上にもあまりこの月徳日の情報は転がっておりませんので、扱うのは難しい暦注だと感じる人も多いでしょう。
月徳日が吉日になる理由
月徳日は土にまつわる吉日と言われておりますが、はっきりいって情報が少なすぎるので「なぜ吉日となっているのか」という質問に対して明確な答えを返すことができません。
かつて日本で使われていた「宝暦暦」にあることが由来とされていますが、それがどうして土と相性が良い吉日になっているのかまで結びつけられませんでした。
ネット上にある「月ごとの福徳」という意味がある吉日という表現も個人的にはよくわかりませんので、知らないことが多すぎる吉日と言えるでしょう。
その他情報
あまりにもわからないことが多すぎるのでひたすら情報を探ってみたところ、どうやらこの月徳日とは「その月の徳神がいる日」という表現をされていることをつかみました。
ポイントとなるのはこの「徳神」とはどのような存在なのかです。この「徳神」という単語だけでは情報をキャッチできませんでしたが、「年徳神」という言葉は見つかったのでこれに関わっているのでは無いのかと推察します。
これはいわゆるお正月になると必ずお祝いして招き入れる歳神様の別名で民間信仰の神様なのです。
日本人は特にこの歳神様に対する民間信仰が非常に色濃く残っているので、その神様から派生した存在が「徳神」の可能性があります。ただし、歳神様は1年に1回だけ来訪する神様ですが、月徳日にまつわる神様というのは「その月の徳神がいる日」と来訪回数が多い神様となっているので、全くおんなじ存在では無いと思います。
「徳」は「得」に通じ縁起が良い言葉であると昔の日本人は考えており、神様にもまつわるワードとしても「徳」という言葉は頻繁に出てくるので歓迎されている神様であることは間違いないでしょう。
歳神様と同じような扱いをされている神様であれば、間違いなく歓迎されている神様ですのでやはり吉日扱いされるのは当然となってくるのだと思います。
月徳日にやるとよいこと・やってはいけないこと
特にこれといった行事はありませんので、あまり気にしなくてよさそうです。
覚えておきたいその他の吉日
天赦日
天赦日(てんしゃび・てんしゃにち)は「天が万物の罪を許し、あらゆる障害が取り除かれる日」として、日本の暦の上では最高の吉日と言われています。1年に5~6回しかありませんが、一粒万倍日同様、新しいことを始めるのに最適な日とされ、仕事始めや結婚、お財布の新調・使い始めなどにおすすめです。
さらに、一粒万倍日と重なると相乗効果で「最強の開運日」になるため、ぜひチェックしてみてください。
一粒万倍日
一粒万倍日は、日本の暦に古くからある吉日の一つです。この言葉が意味するところは「種籾(たねもみ)一粒から一本のイネができ、このイネから万倍もの数のお米が穫れること」。すなわち「わずかなものが飛躍的に増えること」。この日に始めたことは、やがて大きな成果を上げると考えられることから、一粒万倍日は「何かを始めるのに最適な日」とされています。
寅の日
寅(とら)の日は、「金運招来日」とも言われ、特に金運に縁のある吉日とされています。寅は一日で千里の道を往復できる、という云われが転じて、「出したお金がすぐ戻ってくる」日と考えられているためです。お財布の新調や使いはじめ、宝くじ購入、貯金などお金に関することに向いているでしょう。寅の日は干支(えと)をもとに12日ごとにめぐってきます。
巳の日・己巳の日
巳(み)の日は、寅の日と同じく十二支にまつわる吉日で、12日に1度訪れます。蛇は金運・芸術をつかさどる弁財天という神様の使いのため、金運が気になる人はこの日にお金や財産に関係することを行うとよいとされています。お財布の新調や銀行口座開設などをするとよいでしょう。
巳の日に十干の「己(つちのと)」が重なる己巳の日(つちみのひ)は60日に一度しかめぐってこず、特に縁起がよいとされています。
大安・友引
大安(たいあん)・友引(ともびき)は日にちの吉凶を占う六曜の吉日で、6日に1回めぐってきます。大安は「大いに安し(やってはいけないことがない)」という意味で、六曜の中では最も縁起がよく、冠婚葬祭におすすめの日です。
一方友引は「引き分け」を意味し、朝晩が吉、昼は凶とされています。「友を引く」という意味から、慶事には適しているものの、葬儀などの弔事は避けた方が無難でしょう。
大明日
大明日(だいみょうにち)とは歴注の1つで、「天地が開け、太陽の光が隅々まで照らす」という意味を持つ吉日です。引っ越し・旅行など移動にまつわることや、建築・普請を行うのに縁起がよい日とされています。月に8~16日ほどあるため、レア度は低めでしょう。
母倉日
母倉日(ぼそうにち)とは、大明日と同じ歴注の1つで、「母が子に対してするように、天が人を慈しみ育む」日とされています。特に入籍や結婚といった婚姻にまつわることや、引っ越しなどに適した吉日です。月に4~5回あります。
神吉日
神吉日(かみよしび)は、最も回数が多い吉日で、月の半分以上が該当します。神事にまつわることを行うのに適した日とされており、たとえばお墓参りや神社への参拝、祭祀を行うのに適しているでしょう。
天一天上
天一天上(てんいちてんじょう)は、癸巳(みずのとみ)の日~戊申(つちのえさる)の日の16日間を指し、1年に6回めぐってきます。方角をつかさどる天一神が天上に帰るため、方角の禁忌がなくなるとされています。旅行やお出かけ、引っ越しなどに縁起のよい期間です。
鬼宿日
鬼宿日(きしゅくび)は、月が地球を1周する間に通過する28個の星座をもとに吉凶を占う二十八宿の中で、最も縁起がよいとされている吉日です。「鬼が宿(家)にいるため邪魔が入らない」日とされ、婚姻以外であれば何事もうまくいくと言われています。
天恩日
天恩日(てんおんにち)は、「全ての人が天からの恩恵を受けられる」とされ、5日間続きます。慶事全般や旅行・引っ越しなどを行うのに縁起のよい期間ですが、凶事に用いてはならないとされるため注意しましょう。天恩日は、年に90日ほどあります。
月徳日
月徳日(つきとくにち/がっとくにち)は、その月の神様がいる日のことで、「全てのことに支障がない」吉日です。特に、リフォームや不動産契約を行うと縁起がよいとされています。月に2~4日の頻度で巡ってきます。
2024年吉日カレンダー
不成就日に注意!!
様々な吉日がある一方で、縁起が悪いとされている日もあるため注意しましょう。不成就日とは、文字どおり、何事も成就しない、願い事がかなわない日とされています。
結婚や入籍などの慶事、開業、習い事、新築工事、お財布の新調など、何かを始める場合、不成就日を避けた方がよいでしょう。不成就日は8日ごとに訪れ、月に3~5日あります。
月徳日を知り良い時を過ごそう
暦のうえでは、昔から良い日悪い日が存在します。一番みなさんに身近なもので「大安」や「仏滅」などと思いますので、それ以外に沢山の吉日・凶日が存在します。
みなさまも何か節目を迎える時は、これらをちょっとだけ意識して行動すると、良き方向に流れが向き、より充実した時間を過ごすことができると思いますのでご参考にしてみてください♪
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