ゲームのキャラクターなどでみなさんに馴染み深い毘沙門天。
当記事では毘沙門天について以下の情報を紹介しています。
- 毘沙門天とは?
- 毘沙門天の歴史
- 毘沙門天のご利益
- 毘沙門天が祀られているお寺
当記事をご覧いただき、毘沙門天の理解が深まれば幸いです。
毘沙門天とは?

毘沙門天(びしゃもんてん)は、古代インドにルーツを持つ神様です。
インドから中国を経て、日本にも伝わり、広く信仰されています。
また、七福神の1柱としても知られ、幅広い年代の人々に親しまれています。
毘沙門天の名前の意味
毘沙門天という名前は、他の神様と比べると少しユニークに感じるかもしれません。
実は、毘沙門天のルーツは古代インドのヒンドゥー教の神様「クベーラ」にあります。この神様は別名「ヴァイシュラヴァナ」とも呼ばれていました。
「ヴァイシュラヴァナ」を漢字で表記すると「毘舎羅門(びしゃらもん」となり、時を経るうちに「毘舎羅門(びしゃらもん)」が「毘沙門」に変化していったのです。
毘沙門天の姿
毘沙門天は武神として知られており、日本国内で描かれる毘沙門天はほとんどが武装しています。
その顔つきは迫力があり、険しい表情をしています。
右手には宝棒を持ち、邪鬼を払い、左手には宝塔を持って豊かさをもたらすとされています。
ただし、典型的な毘沙門天のポーズや表情というものはなく、宝棒と宝塔の持ち手が逆だったり、武器を持っていない姿が描かれることもあります。
毘沙門天のご利益
毘沙門天は金運と福徳の神様として知られています。また、仏教を守る強靭なイメージから、戦いや勝利の神様としても崇められています。
さらに、疫病を祓い無病息災を願う神様としても信仰されています。そのため、毘沙門天を祀るお寺や神社では、健康や病気予防を祈願する人々が訪れています。
毘沙門天を信仰すると得られる10種の福
毘沙門天を信仰すると10種の福が得られます。
10種の福
- 無尽の福(尽きることのない福)
- 衆人愛敬の福(皆から愛される福)
- 智慧の福(智慧により物事を正しく判断する福)
- 長命の福(長生きする福)
- 眷属衆太の福(周囲の信頼に恵まれる福)
- 勝運の福(勝負事に勝つ福)
- 田畠能成の福(田畑を豊作に導く福)
- 蚕養如意の福(家業が成功する福)
- 善識の福(良い教えを学ぶ福)
- 仏果大菩提の福(悟りを得られる福)
毘沙門天の真言(マントラ)
毘沙門天の真言(マントラ)を参拝時に唱えると、ご利益(功徳)を得られます。
毘沙門天の真言は、オン ベイシラ マンダヤ ソワカ です。
これを、3回、7回、21回、108回唱えると良いとされています。
毘沙門天が所属する神様グループ
毘沙門天は、複数の神様グループに所属しています。
毘沙門天が所属する「四天王」
四天王とは、仏教世界を守護する4人の神様で、それぞれが東・西・南・北の四方を護っています。
毘沙門天はその中で北方を守護する神様です。
毘沙門天は単独で呼ばれる場合と、四天王の一員として扱われる場合があります。
四天王として登場する際、毘沙門天は**多聞天(たもんてん)**という名前で呼ばれます。
また、毘沙門天は四天王の中で最も強いとされています。
四天王
東:持国天(じこくてん)
西:広目天(こうもくてん)
南:増長天(ぞうじょうてん・ぞうちょうてん)
北:多聞天(たもんてん)=毘沙門天
毘沙門天が所属する「十二天」
十二天は、仏法や仏教徒を守護する12人の神様で、以下の守護領域を担当しています:
- 東・西・南・北・東北・東南・西北・西南の8方角
- 天・地、日・月の4か所
これら12天は、仏教の教えと仏教徒を守る神々として崇敬されています。
毘沙門天は、十二天の一員としても登場し、北方を守護する神様です。四天王と同様に、北の守護神としての役割を担っています。
十二天
東 :帝釈天(たいしゃくてん)
東南:火天(かてん)
南 :焔摩天(えんまてん)
西南:羅刹天(らせつてん)
西 :水天 (すいてん)
西北:風天(ふうてん)
北 :毘沙門天
東北:伊舎那天(いざなてん )
天 :梵天(ぼんてん)
地 :地天(じてん)
日 :日天(にってん)
月 :月天(がってん)
毘沙門天が所属する「七福神」
七福神は、幸福や福運をもたらす7人の神様で、それぞれ異なる特徴やご利益を持っています。七福神の7つの福は次の通りです:
- 清廉(けいれん)
- 有福(ゆうふく)
- 威光(いこう)
- 愛敬(あいきょう)
- 人望(じんぼう)
- 寿命(じゅみょう)
- 大量(たいりょう)
毘沙門天は、七福神の1柱として祀られています。その特徴的なご利益は「威光」、すなわち人々を従わせ、恐れさせる力です。毘沙門天は、物理的・精神的な強さやリーダーシップを象徴する存在であり、威光をもって人々を導くとされています。
また、毘沙門天が七福神として祀られる際には、特別な場所である毘沙門堂が設けられることが多いです。この堂には、一般的な神社の狛犬像の代わりに、毘沙門天の使いとされる寅(トラ)の像が設置されていることが特徴です。
七福神
・恵比寿(えびす)
・大黒天(だいこくてん)
・福禄寿(ふくろくじゅ)
・毘沙門天
・布袋(ほてい)
・寿老人(じゅろうじん)
・弁財天(べんざいてん)

毘沙門天が祀られているお寺
日本で見られる有名な毘沙門天像
奈良:東大寺の毘沙門天
東大寺の大仏殿には、兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)が中門に立っています。この毘沙門天は、「兜跋(とばつ)」という名前がついている通り、非常に勇ましく、武神としての特徴が強調されています。兜跋毘沙門天は、仏教の守護神として、特に仏法を守る力強い神として崇められています。
兜跋毘沙門天は、武器を手にした戦いの神であり、強さや勝利を象徴しています。東大寺の大仏殿の中門に立つことで、その神聖な力が仏法を守る役割を果たしているとされています。
東大寺の毘沙門天像は、他の毘沙門天像と同様に金運や福徳をもたらす神として信仰されていますが、兜跋毘沙門天は特に戦いや戦勝に関連する力を持っているとされています。信者は、この毘沙門天に祈りを捧げることで、勝利を収めたり、困難を乗り越えたりする助けを得るとされています。
京都:鞍馬寺の毘沙門天
鞍馬寺は、京都市に位置する古刹で、毘沙門天を祀ることで有名です。特に毘沙門天三尊立像が有名で、この像は鞍馬寺における重要な宗教的シンボルとなっています。
毘沙門天三尊立像は、毘沙門天を中心に、他の仏教守護神と共に並んでいる姿が特徴です。この三尊像は、毘沙門天の強さと威厳を象徴しており、参拝者に対して仏法を守護し、平穏と幸福をもたらす力を与えているとされています。
鞍馬寺は古来より**「山岳信仰」**と深い関わりがあり、毘沙門天はその神聖な守護神として、鞍馬山の中で非常に崇敬されてきました。毘沙門天は、特に戦いの神として知られており、鞍馬寺でも、その強力な存在感と加護を受けるために多くの信者が訪れます。
また、鞍馬寺の毘沙門天は、金運や福徳、勝利を願う人々に信仰されています。毘沙門天の三尊像は、その厳格で力強い姿勢を通じて、参拝者に対して仏法の守護を約束していると言われています。
東京:善國寺の毘沙門天
善國寺(ぜんこくじ)は、東京・神楽坂にある日蓮宗の寺院で、1595年(文禄4年)に池上本門寺の第12代貫主、日惺上人によって創建されました。日蓮宗の寺院として、仏教の教えとともに人々に信仰を提供しています。
この善國寺には、毘沙門天像が祀られており、特に有名です。毘沙門天は、寺の重要な守護神の一つとして信仰されています。毘沙門天は金運や福徳をもたらす神としても崇められており、参拝者は豊かさや勝利を願って訪れることが多いです。
善國寺の毘沙門天像は、特にその威厳ある姿勢と力強さが特徴で、神楽坂の街中にありながらも、参拝者に大きな心の安らぎと勇気を与える存在となっています。毘沙門天は、武神としても知られており、戦や勝利を象徴する神として崇敬されていますが、善國寺では、一般的な家庭や仕事、金運向上を願う人々にも信仰されています。
善國寺は、その歴史的背景とともに、多くの信仰を集めている寺院であり、毘沙門天はこの場所においても大きな役割を果たしています。神楽坂という文化的にも豊かなエリアで、毘沙門天を祀るこの寺院に足を運ぶことは、心の清めと共に、福を呼び込む良い機会とされています。
大阪:神峯山寺の毘沙門天
神峯山寺(かぶさんじ)は、大阪府にある歴史ある寺院で、約1,300年の歴史を誇ります。この寺院は、毘沙門天を祀る霊場として特に有名で、日本で最初に毘沙門天が安置された場所とも言われています。神峯山寺は、仏教の信仰の中心地として、信者に深い尊敬を集めている場所です。
このお寺には、毘沙門天、双身毘沙門天、兜跋毘沙門天という3体の毘沙門天の像が安置されており、それぞれが異なる役割や特徴を持っています。
- 毘沙門天 – 神峯山寺の本尊として安置されている毘沙門天像は、一般的に知られる金運や福徳の神として信仰されています。戦勝の神、無病息災の守護神としても広く信仰されています。
- 双身毘沙門天 – 双身毘沙門天は、通常の毘沙門天像と比べて、二体の毘沙門天像が並んでいる独特な形式です。これにより、双方向からの守護が強調されており、信者にはより大きな守護の力がもたらされるとされています。
- 兜跋毘沙門天 – 兜跋毘沙門天は、武神としての特徴が強調されており、戦いや勝利を司る力強い神として崇敬されています。神峯山寺では、この像が戦争や困難な状況からの守護を求める信者にとって重要な神として信仰されています。
神峯山寺の毘沙門天は、これら3体の像が並び、訪れる人々に力強い守護を与えてくれます。この寺院は、毘沙門天信仰の発祥地として、またその後の毘沙門天信仰において重要な役割を果たしてきた場所です。
神峯山寺は、信仰と歴史が息づく場所として、毘沙門天の守護を求める人々にとって、特別な場所とされています。
栃木:大岩山の毘沙門天
栃木県にある大岩山毘沙門天(おおいわさん びしゃもんてん)は、日本三毘沙門の一寺として広く知られています。この寺は、京都の鞍馬寺、奈良の朝護孫子寺と並び、毘沙門天信仰の重要な聖地とされています。
大岩山多聞院最勝寺(おおいわさん たもんいん さいしょうじ)という名称のこの寺院は、聖徳太子によって創建されたと伝えられています。特に、毘沙門天の純金像がご本尊として祀られており、これが大岩山毘沙門天の特徴的なポイントです。この純金像は、毘沙門天信仰において非常に高い神聖さを持ち、訪れる人々に強い力を与えていると信じられています。
大岩山毘沙門天は、勝利の神、福徳の神として、また無病息災や悪霊払いを願う神として崇拝され、さまざまな人々に広く信仰されています。寺院内には、毘沙門天の像を安置するための特別な堂が設けられ、訪れる信者たちはその神聖な場所で祈りを捧げます。
大岩山は美しい自然の中にあり、その景色とともに毘沙門天の力を感じることができる場所として、多くの参拝者を引き寄せています。
毘沙門天を知りご利益を授かろう
毘沙門天について深く知れたのではないでしょうか?
当記事と出会ったことで、あなたの開運や人生の好機に少しでも繋がれば幸いです。
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