勢至菩薩ってあまり聞いたことないですよね?
この記事をご覧いただければ下記のことが分かります。
- 勢至菩薩とは?
- 勢至菩薩のご利益
- 勢至菩薩が守護本尊の生まれ年
- 勢至菩薩の特徴
- 勢至菩薩が祀られている有名な寺院
- 勢至菩薩の真言
当記事をご覧いただき、勢至菩薩について理解を深めていただければ幸いです。
勢至菩薩とは?

勢至菩薩(せいしぼさつ)は、一般的にはあまり知られていない仏さまかもしれません。彼は、阿弥陀如来の脇侍として一緒に座っていることが多いですが、観音菩薩と対になって座ることが一般的で、単独で祀られる像が少ないため、その知名度が低いのかもしれません。
しかし、勢至菩薩には非常に重要な役割があります。彼は智慧の光で、六道に迷う人々を照らし、救いの道を示してくれるとされています。仏教における智慧を持つ菩薩には、釈迦の智慧を持つ文殊菩薩や、記憶の智慧を持つ虚空蔵菩薩などがいますが、勢至菩薩もまた、無知な人々が地獄道や餓鬼道、畜生道に堕ちないように導き、救ってくれる心優しい菩薩です。
勢至菩薩のご利益
勢至菩薩のご利益には、家内安全や開運招福が含まれています。また、人としての道を踏み外さず、正しい生き方をするための知恵を習得できるとも言われています。勢至菩薩は、私たちに心の平安と智慧を与え、迷いや困難から救いの手を差し伸べてくれる存在です。
勢至菩薩が守護本尊の生まれ年
勢至菩薩は、午(うま)年の守護本尊とされています。午年生まれの人々にとって、開運や厄除け、祈願成就を助けてくれる存在だと言われています。勢至菩薩の慈悲深い力によって、困難な状況から解放されると信じられています。

勢至菩薩の特徴
勢至菩薩は、単独で祀られる独尊像が少なく、阿弥陀如来の脇侍として観音菩薩と共に安置されることが多いです。観音菩薩と対で祀られることが一般的です。
『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』には、観音菩薩が化仏を掲げ、勢至菩薩が水瓶を宝冠に掲げている場面が記されています。この点が、観音菩薩と勢至菩薩を見分ける一つのポイントになります。観音菩薩は化仏を持ち、勢至菩薩は水瓶を持つ姿で、両者の違いを確認できます。
勢至菩薩の木彫り彫刻が100万円以上するとは驚きですね!そのような高額な仏像を購入する方々は、仏教の深い信仰を持っている方や、珍しい仏像を収集しているコレクターの可能性が高いです。また、家内安全や開運招福を願って、大切に祀るために購入される方も多いでしょう。さらに、仏教の文化や歴史に興味があり、その一部として高価な仏像を所有することに価値を感じる方もいるかもしれませんね。どんな方が購入されるのか、興味深いですね!

勢至菩薩が祀られている有名な寺院
勢至菩薩が祀られている寺院には、さまざまな場所があります。以下にいくつか紹介いたします。
京都府の勢至菩薩
京都府京都市左京区にある三千院(さんぜんいん)は、木造の勢至菩薩立像(国宝)が祀られている寺院です。本堂である往生極楽院には、木造寄せ木造りの阿弥陀如来像、観音菩薩像、そして勢至菩薩像が安置されています。
三千院での拝観のポイントは、観音菩薩像と勢至菩薩像を横から見ることです。両像とも、正座しながらも少し身を乗り出したような前傾姿勢で座っており、この姿勢は浄土に向かう人々に語りかけるような温かい印象を与えています。参拝者にとって、この姿勢が浄土への導きと救いの象徴であり、深い感動を呼び起こします。
三千院 公式サイト
http://www.sanzenin.or.jp/
京都府の勢至菩薩その2
京都府京都市右京区にある仁和寺(にんなじ)は、平安時代に檜で造られた阿弥陀如来座像、観音菩薩像、そして勢至菩薩像が安置されていることで知られています。これらの像はすべて国宝であり、その歴史的な価値は非常に高いです。
仁和寺は、1994年12月に「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録され、世界的にもその文化的・歴史的意義が認められています。寺院内に安置された阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩薩の像は、仏教の深い教えを象徴しており、多くの参拝者がその尊厳ある姿に感銘を受ける場所です。
仁和寺 公式サイト
https://ninnaji.jp/
愛知県の勢至菩薩
愛知県名古屋市にある長福寿寺(ちょうふくじ)は、奈良時代に創建された古刹で、国の重要文化財である観音菩薩坐像と勢至菩薩坐像が安置されています。この寺院は、戦争の歴史もあり、特に名古屋大空襲(1945年3月19日)で大きな影響を受けました。
長福寺はかつて、七堂大伽藍を有していたことから「七寺(ななつでら)」とも親しまれていましたが、大空襲によって経蔵以外の全ての伽藍が焼失しました。その際、住職たちは観音菩薩坐像と勢至菩薩坐像を持ち出し、戦火から救い出すことができました。残念ながら、当時の本尊である阿弥陀如来像や二体の天部像は焼失してしまいました。
大空襲を生き延びた観音菩薩と勢至菩薩像は、その不屈の力と慈悲を象徴しており、実際に拝観することで、深い感動や何か特別なものを感じることができるかもしれません。
長福寿 公式サイト
https://choufukujuji.com/
その他の寺院
京都の知恩院(ちおんいん)は、浄土宗の総本山であり、非常に重要な仏教寺院の一つです。知恩院は、法然上人によって開かれた浄土宗の教えを広める中心的な役割を果たしています。寺院は京都市東山区に位置し、観光名所としても知られています。
知恩院の特徴的な建築は、大きな三門(山門)があり、その高さは日本の木造建築としては最大級です。また、知恩院の本堂(阿弥陀堂)はとても広く、荘厳な雰囲気が漂っています。ここでは阿弥陀如来を本尊として祀っており、参拝者は浄土宗の教えに基づく祈りを捧げることができます。
また、知恩院の境内には観音菩薩像や勢至菩薩像が祀られた場所もあります。これらの像は浄土宗の教えにおいて重要な役割を果たしており、観音菩薩は慈悲の象徴、勢至菩薩は智慧の象徴として、信者に深い霊的な導きを提供しています。
知恩院はその歴史や文化的背景に加え、周囲の美しい庭園や景観でも魅力を持っています。特に春の桜や秋の紅葉の時期は、訪れる人々にとって非常に美しい景色を提供します。
京都 知恩院 公式サイト
https://www.chion-in.or.jp/
勢至菩薩の真言
真言とは
サンスクリット語「マントラ」を訳したもので「仏の真実の言葉」と解釈でき仏の教えがこもった言葉だといえます。
マントラとは
心を意味する「manas」、守る・解放を意味する「trāṇa」という2つの言葉が組み合わさった言葉です。
勢至菩薩の真言は「オン・サンザンサク・ソワカ」です。この真言は、勢至菩薩の智慧と慈悲を得るためのものとされています。無心にこの真言を呪文のように唱えることで、心が清められ、智慧を得ることができると信じられています。
真言を唱える際には、その言葉に込められた意味を深く考えず、ただ心を込めて無心で唱えることが大切だとされています。無心で唱えることで、勢至菩薩の智慧が心に届き、迷いや困難から解放されると考えられています。
勢至菩薩による人道支援
勢至菩薩は、智慧を持ち、人々が無知によって地獄界や餓鬼界に落ちることを防ぎ、救う役割を果たしています。その慈悲深い働きによって、無知や迷いから解放されるように導いてくれる存在です。
旅行などで勢至菩薩を拝見する機会があれば、ぜひその智慧に感謝の気持ちを込めて、人として道を踏み外すことなく、真っ直ぐな生き方をできるように願いながら参拝されることをおススメします。勢至菩薩の力強い智慧と慈悲が、あなたの心を照らし、人生の道標となってくれることでしょう。
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